ドローンの飛行時間は、用途や機種によって大きく異なります。
趣味の空撮から業務利用まで、長時間飛行できるドローンを求める人は多いと思います。
一般的な市販モデルの飛行時間は20〜30分程度ですが、40分以上飛行可能なものも登場しています。
また、産業用ドローンでは1時間以上飛べるモデルもあり、バッテリー技術の進化が進んでいます。
飛行時間が長いと作業効率が向上し、より広範囲の撮影や測量が可能です。
反対に、飛行時間が短いとバッテリー交換の手間が増え、撮影や業務に支障が出ることもあります。
この記事では、ドローンの平均飛行時間や、飛行時間を延ばす方法について詳しく解説します。
この記事を読むと分かること
・ドローンの平均飛行時間
・最も飛行時間が長いドローンについて
・ドローンの飛行時間が長いメリット
・ドローンの飛行時間が短いことによるデメリット
・ドローンの飛行時間を伸ばすポイント
・長時間飛行できるおすすめドローン
長時間飛行が可能なおすすめのドローンも紹介するので、購入の参考にしてみてはいかがでしょうか。
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ドローンの平均飛行時間は?
一般的なドローンの平均飛行時間は、約20分~30分程度です。
ドローンの種類によって、平均飛行時間は異なります。
平均飛行時間の長さは、トイドローンでは短く、続いて一般向けのカメラドローンの順に長くなります。
多くの産業用ドローンは、さらに飛行時間が長い傾向にあります。
機体価格と飛行時間は比例していることが多く、高価なドローンほど飛行時間が長くなります。
【機体価格と飛行時間の関係】
・5,000円~10,000円程度:約5分
・10,000~30,000円:約7~10分
・30,000~50,000円:約10~20分
・50,000円以上:約20分以上
飛行時間はバッテリーの容量、機体重量、飛行時の風や気温などの環境条件によって変動するのも特徴です。
バッテリーの消耗が早いと、バッテリー切れをおこして墜落して故障の危険があります。
バッテリー交換で継続飛行は可能ですが、1回の充電での飛行時間には限りがあるので、初心者の方はバッテリー残量を確認しながら余裕をもってバッテリー交換することが重要です。
また、急加速したり、動きの多い飛行を繰り返すとバッテリー消耗も早くなり飛行時間が短くなるので気を付けましょう。
最も飛行時間が長いドローンはどのくらい?
一般的なカメラドローンの飛行時間は、だいたい20~30分です。
一般向けに販売されているドローンの中には、DJI Mavic 3のように最大約46分間飛行できる機種もあります。
産業用・軍事用ドローンは数時間飛行可能な機種もあり、測量や農薬散布などで活躍しています。
このような飛行時間が長いドローンは大型な傾向があり、その価格も高くなるので一般向けとは大きく異なることを知っておきましょう。
ただし、バッテリー交換式のドローンであれば、一般向けのドローンであっても実質的に長時間飛行が可能です。
ドローンの飛行時間が長いことによるメリット
では、ドローンの飛行時間が長いとどのようなメリットがあるのでしょうか。
【ドローンの飛行時間が長いメリット】
1.撮影や業務効率の向上
2.飛行エリアの拡大
3.産業用ドローンでの利点
ここからは、具体的なメリットを3つ解説していきます。
1.撮影や業務効率の向上
ドローンの飛行時間が長いことで、撮影や業務効率の向上が実現するメリットがあります。
空撮や動画撮影時にバッテリー交換の手間が減り、ロングフライト撮影が可能になります。
また、広範囲の測量や点検作業が1回で完了しやすく効率的に作業が進みます。
2.飛行エリアの拡大
ドローンの飛行時間が長いことで、飛行エリアの拡大が見込めるメリットがあります。
飛行時間が長ければ、遠距離の撮影や探索が可能となります。
災害時の救助活動においても、自然や山岳地帯など人が立ち入れない場所まで探索でき、広い範囲の状況把握もできるので長時間の飛行は重要です。
3.産業用ドローンでの利点
ドローンの飛行時間が長いことで、産業用ドローンとしての利点があります。
産業用ドローンとしては、バッテリー交換なしで広範囲の散布ができて、農薬散布ドローンの効率化ができるのも大きなメリットです。
また、飛行時間が長ければ高所や狭い場所などでの点検時間も増えるので、インフラ点検での安全性向上にもつながります。
ドローンの飛行時間が短いことによるデメリット
ここでは、飛行時間が短いことによるデメリットを解説します。
【ドローンの飛行時間が短いデメリット】
1.撮影や業務効率の向上
2.飛行エリアの拡大
3.産業用ドローンでの利点
ここからは、具体的なデメリットを3つ解説していきます。
1.バッテリー交換の手間が増える
ドローンの飛行時間が短いことで、バッテリー交換の手間が増えるデメリットがあります。
ドローンは基本的に屋外で使用するため、充電するのが難しい環境も多くあります。
そうした環境のもとで、長時間の空撮や広範囲の作業をする際にバッテリーの頻繁な交換が必要になります。
また、予備のバッテリーを複数用意する必要があるでしょう。
2.飛行距離が制限される
ドローンの飛行時間が短いことで、飛行距離が制限されるデメリットがあります。
遠くまで飛ばせないため、撮影や作業・調査範囲が狭まります。
さらに、長距離飛行時にバッテリー容量の残量がなくなり帰還が間に合わず、墜落のリスクもあります。
3.業務用途での作業効率低下
ドローンの飛行時間が短いことで、作業時間が制限されてしまうこともデメリットとして挙げられます。
制限された時間内での作業は、ミスにもつながる可能性もあります。
測量や調査においては、作業時間が短いことでデータ不足や精度の低下につながるかもしれません。
さらに、途中でバッテリーが切れると充電や交換の必要があり、作業の中断が必要となり、作業効率が下がります。
ドローンの飛行時間を伸ばす4つのポイント
ここでは、ドローンの飛行時間を伸ばすポイントを4つ紹介します。
【ドローンの飛行時間を伸ばすポイント】
1.機体の重量を減らす
2.高度を上げすぎない
3.ホバリングを安定させる
4.飛行前にバッテリーを温めておく
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.機体の重量を減らす
ドローンの飛行時間を伸ばすためには、機体の重量をできるだけ軽くすることが重要です。
ドローンは重量が増えるほどモーターに負荷がかかり、バッテリーの消耗が早まるため、余分な荷物を減らすことで効率的にエネルギーを使えます。
例えば、ジンバルカバーや保護パーツなどの不要なアクセサリーを外すだけでも、重量を軽減できます。
また、軽量なプロペラやバッテリーを選ぶことで、飛行時間を向上させることが可能です。
撮影機材を搭載する場合も、必要最低限の機材に絞り、飛行時間とのバランスを考慮することが大切です。
2.高度を上げすぎない
ドローンの飛行時間を伸ばすためには、飛行高度にも注意が必要です。
上空では地上よりも風が強くなることが多く、高度を上げすぎるとドローンが風の影響を受けやすくなります。
風にあおられると機体は姿勢を維持しようと余分なエネルギーを使い、その結果バッテリーの消耗が早まるのです。
さらに、高度が上がると気圧が低下し、ドローンのモーターやプロペラの負担が増すことで効率が落ちる可能性があります。
適度な高さを維持することで、無駄なエネルギー消費を抑え、飛行時間を延ばせるでしょう。
3.ホバリングを安定させる
ドローンの飛行時間を伸ばすためには、ホバリング時の安定性を確保することも重要です。
ホバリングが不安定だと、機体が余計な動きをしてバッテリーを消耗しやすくなります。
そのため、できるだけ無駄な操作を減らし、静止状態を維持することを意識しましょう。
また、離陸時には急上昇を避け、ゆっくりと高度を上げることで機体のバランスを保ちやすくなります。
GPSモードを活用すれば、より正確で安定したホバリングが可能です。
さらに、強風が吹きやすい場所や障害物の多い環境を避け、風の影響を受けにくいエリアで飛ばすことで、無駄な姿勢制御によるエネルギー消費を抑えられます。
こうした工夫を取り入れることで、ドローンの飛行時間を最大限に引き延ばせます。
4.飛行前にバッテリーを温めておく
ドローンの飛行時間を伸ばすためには、飛行前にバッテリーを温めておくことも重要です。
寒い環境ではバッテリーの性能が低下しやすく、十分な電力を供給できないことがあります。
特に低温下では、バッテリー内部の化学反応が鈍くなり、エネルギー効率が落ちるため、飛行時間が短くなる原因となります。
そのため、飛行前にバッテリーを適温まで温めておくことが重要です。
バッテリーを温める方法としては、手で包んで温める、ポケットに入れておく、専用の保温ケースを使用するなどが効果的です。
また、一部の産業用ドローンには自己発熱機能付きのバッテリーが搭載されており、低温環境下でも安定した電力供給が可能です。
寒冷地での飛行では、こうした対策を取ることで、バッテリーの消耗を抑え、より長く飛行できるようになります。
長時間飛行できるおすすめドローン3選
ここでは、長時間飛行できるおすすめドローン3選を紹介します。
【長時間飛行できるおすすめドローン】
1.DJIシリーズ(Mavic Air 2/Air 2S/Mavic 2 Pro)
2.Autel Robotics EVO II
3.Parrot ANAFI
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.DJIシリーズ(Mavic Air 2/Air 2S/Mavic 2 Pro)
出典:DJI
DJIのドローンシリーズは、長時間の飛行性能で知られています。
中でも、Mavic Air 2、Air 2S、Mavic 2 Proは、優れた飛行時間を誇ります。
項目 | 内容 |
---|---|
離陸重量 | 約595g |
サイズ | 折りたたみ時:180×97×77 mm 展開時:183×253×77 mm |
最大飛行時間 | 約31分 |
最大飛行速度 | 19m/s(Sモード時) |
カメラセンサー | 1インチCMOS |
有効画素数 | 20MP |
動画解像度 | 最大5.4K/30fps |
バッテリー容量 | 3,750mAh |
充電電圧 | 最大12.6V |
動作環境温度 | -10℃~40℃ |
最大伝送距離 | 12km(日本国内では8km) |
障害物検知 | 前方、後方、上方、下方 |
Mavic Air 2は、無風状態で最大34分の飛行が可能です。
障害物検知機能付きで安全性が高く、カメラ機能も優れているので鮮明な映像を撮影できます。
Air 2Sは、最大31分の飛行時間を提供し、1インチのCMOSセンサーを搭載しています。
サイズは小型ながらも、動画撮影ではブレずに高精細な映像を撮影できるのも特徴です。
Mavic 2 Proは、最大31分の飛行時間と、Hasselbladと共同開発したカメラを備えています。
このようにDJIシリーズモデルは、長時間の飛行と高品質な撮影を求めるユーザーに最適です。
2.Autel Robotics EVO II
Autel RoboticsのEVO IIシリーズは、長時間の飛行性能と高解像度の撮影能力を兼ね備えたドローンです。
項目 | 内容 |
---|---|
離陸重量 | 約1150g |
サイズ | 折りたたみ時:230×130×108 mm 展開時:457×558×108 mm |
最大飛行時間 | 約40分 |
最大飛行速度 | 20 m/s(約72 km/h) |
カメラセンサー | 1/2インチ CMOS |
有効画素数 | 48MP |
動画解像度 | 最大8K(7680×4320) |
バッテリー容量 | 7100 mAh |
動作環境温度 | -10℃~40℃ |
最大伝送距離 | 約9.3マイル(約15 km) |
障害物検知 | 全方向(前方、後方、上方、下方、左右) |
EVO IIは、最大40分の飛行時間を実現し、広範囲の撮影や長時間のミッションに適しています。
また、最大8Kの動画解像度をサポートし、詳細で鮮明な映像の撮影が可能です。
さらに、全方向の障害物検知システムを搭載しており、安全な飛行をサポートします。
EVO IIシリーズは、プロフェッショナルな映像制作や産業用途など、長時間の飛行と高品質な撮影を求める場合におすすめです。
3.Parrot ANAFI
出典:Parrot
Parrot ANAFIは、軽量かつ高性能なドローンで、最大25分の飛行時間を実現します。
項目 | 内容 |
---|---|
サイズ(折りたたみ時) | 244×67×65 mm |
サイズ(展開時) | 175×240×65 mm |
重量 | 320 g |
最大伝送距離 | 4 km(コントローラー使用時) |
最大飛行時間 | 25分 |
最大水平速度 | 15 m/s(55 km/h) |
最大上昇速度 | 4 m/s |
最大風抵抗 | 50 km/h |
サービス天井 | 海抜4,500 m |
動作温度範囲 | -10°C~40°C |
衛星測位システム | GPS & GLONASS |
この長時間の飛行能力により、広範囲の撮影や調査が可能です。
ANAFIは、折りたたみ式でコンパクトなデザインを採用しており、持ち運びやすく、短時間で展開できます。
また、5軸(2軸の機械式と3軸の電子式)で安定化されたカメラを搭載しており、飛行中の振動を抑え、鮮明な映像の撮影が可能です。
さらに、180°のチルト機能と3倍ズームにより、観測対象の詳細なビューを提供します。
ANAFIは、最大50 km/hの風にも耐えられる設計となっており、過酷な環境下でも安定した飛行が可能です。
バッテリーはUSB-Cケーブルで約1.5時間で充電でき、オンボードコンピュータがバッテリーレベルを常時管理し、必要に応じて自動的にホームポイントに戻る機能も備えています。
まとめ
本記事では、ドローンの平均飛行時間や最も飛行時間が長いドローンについて詳しく解説しています。
また、ドローン飛行時間が長いことによるメリット、飛行時間が短いことによるデメリット、飛行時間を伸ばすポイントも紹介しています。
さらに、長時間飛行が可能なおすすめドローン3選も紹介しています。
ドローンを上手に活用するためには、用途に応じた機種の選択と飛行時間をのばす使用方法が重要です。
飛行時間の長いおすすめの3機種(DJIシリーズ・Autel Robotics EVO II・Parrot ANAFI)についても紹介しました。
趣味でも産業の活用の際もバッテリーが切れて撮影できなくならないよう、機種の検討の段階からしっかりと準備して、使用時も工夫して有効にドローンを活用してみてください。
ドローンの知識や、飛行時間をのばすための飛行時の操縦テクニックを学ぶのに、ドローンスクールに通ってみるのもおすすめです。
おすすめのドローンスクールは?
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