農薬散布だけではない!ドローンを使った7つの農作業効率化メソッドとは

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農作業における農業用ドローンの活用ニーズは、年々高まってきています。

農業の現場において、高齢化や人手不足が大きな問題となっているなか、それらを解決するばかりか、農作物の品質向上や収穫量上昇にドローンがひと役買ってくれるのです。

そこで、農林水産省が新たに策定した、「農業用ドローン普及計画」について詳しく説明していきます。ここでは、計画のなかにある7つの分野についてご紹介します。

農業関係者の方は、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

▼ドローン農薬散布の仕事について詳しく▼

農業用ドローン普及のために「農業用ドローン普及計画」が策定

2019年3月、農林水産省はさらなる農業用ドローンの普及を目的として、「農業用ドローン普及計画」を策定しました。

農業用ドローン普及計画の主題は、「2022年度までに、農業用ドローンを水田を中心とした土地利用型農業の作付面積の半分以上に普及させるほか、野菜や果樹、中山間地域における先進的な経営体へ導入する」というものです。

計画のなかでは、農業用ドローンの活用が特に期待される7つの分野を設定しています。

(1)ドローンを使った農薬散布について

農作業において農薬の散布は必要不可欠です。

今までは産業ヘリを用いて農薬の空中散布を行っていましたが、産業ヘリの代替としてドローンを用いた農薬散布を行ないます。

ドローンは、産業ヘリと比較して非常に安価です。さらに、コンパクトで扱いやすいというメリットがあります。

農業用ドローンを使った農薬散布によって、労働負担の軽減や作業効率の向上、コストの大幅な削減が期待できます。

さらに、産業ヘリでは成しえなかったピンポイントでの農薬散布にも、ドローンはひと役買ってくれます。病虫害の発生など、農薬の散布が必要に迫られたとき、効率的に防除作業を行うことができるため、収量や品質の向上にも貢献してくれます。

なお計画では、2022年までにドローンによる散布面積を100万haまで拡大することを目標に掲げています。

(2)ドローンを使った肥料散布について

農業用ドローンを用いて肥料の散布を行います。

肥料散布に使用されるドローンは、農薬散布に用いられるドローンと同じ機体で賄うことができます。

中山間地域のような不整型な場所でも、小回りの利くドローンであればより精密な散布が可能となり、農業用ドローンを使った農薬散布と同様の効果が期待されています。

(3)ドローンを使用した播種について

ローンに搭載した散布装置を使って、鉄コーティング種子などの散播を行います

空中からの播種は産業ヘリを利用して行われるのが一般的でしたが、ドローンに代えることでコストや労働力の削減が実現します。

ドローンによる播種はまだ一般化していませんが、一部地域ではすでに取り入れられており、着々と成果を出しているようです。

北海道旭川市にある「一般社団法人シンプルライフ協会」の実験によると、1000㎡の水田にドローンで播種した作物を栽培したところ、従来とまったく変わらない収穫高を記録したそうです。

(4)ドローンを使った農作物の受粉について

農業用ドローンに搭載した散布装置から、花粉を混ぜた溶液の散布を行います。

これによって、リンゴやナシといった人工授粉が欠かせない作物に効率的な受粉作業が行えるようになり、作業の省力化が可能となります。

「マルショウ紫波」が実際に農業用ドローンを使った受精を行ったところ、以前は4人で1時間以上かかっていた受粉作業がわずか15分で完了。受粉の効果にも何ら問題はなく、人工授粉と比べて収穫量も品質もやや上回る結果となったようです。

(5)ドローンを使用して農産物等を運搬について

農業の現場では、高齢化や担い手の不足が顕著となり、大きな問題となっています。そのため、収穫物の運搬作業は大きな課題となっていました。

そこで、ドローンにコンテナを取り付け、運搬に用いることで農業資材運搬における省力化を目指しています。

ただし、農産物の運搬には、特化した性能が求められます。風害や鳥害などまだまだ課題はたくさんありますが、メーカー各社は開発・実証を重ねている段階です。

(6)空撮して行う圃場センシングについて

ドローンで空撮することによって農作物の生育状況や病害虫の発生箇所を確認することができます今までは人工衛星を使って行われていましたがドローンを活用すれば人工衛星よりも容易に情報を取得することができます

農作物の状況を逐一チェックすることができるので適切な管理を促すことが可能となり品質の向上につながります。

(7)ドローンを使った鳥獣被害対策

鳥や獣といった動物の被害に悩まされている農家の方々は数多くいらっしゃいます。

このような鳥獣被害への対策として、赤外線カメラを搭載したドローンで空撮を行います。

ドローンを用いて鳥獣の生息実態を把握したり、リアルタイムな見回りを行ったりすることによって、作業の効率化を図ることができます。

まとめ

  • 農林水産省はさらなる農業用ドローンの普及を目的として、「農業用ドローン普及計画」を策定
  • 7つの分野すべてにおいて農業従事者の労働力減、生産性増に貢献している
  • 今後、農業用ドローンは農業の発展に必要不可欠な存在となるかもしれない

これからさらにどのような進展があるのか、農林水産省の新たな動きをしっかりとウォッチしておきましょう。

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