【2025年最新】100g未満のドローンでも適用される飛行規制とは?

近年ドローンの技術発展に伴い、個人で撮影した動画を自身のSNSに投稿したり、映画やCM、テレビのカットとして不動産、観光名所などの空撮、農業の薬剤散布など、あらゆるビジネスで活用を試みる企業や経営者が増加傾向にあります。

現在、日本国内でのドローン飛行に関する規制は『航空法』が大体を占めています。その航空法では100g未満(バッテリーやと本体の重さの合計)のドローンは「航空法の規制が少ない」ものとなっています。

また、その他の規制・条例などは100g未満であっても規制の対象となっています。

そのため今回、当記事では、『100g未満のドローンの飛行規制』に注目して法律・規制・条例などをご紹介していきます。

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この記事の監修者
バウンダリ行政書士法人 代表社員 特定行政書士 佐々木慎太郎
ドローンに関する許認可申請、許認可管理、法務顧問を専門とするバウンダリ行政書士法人(東京・仙台)の代表。飛行許可申請をはじめ登録講習機関の開設やスクール運営、事業コンサルティングなど支援の幅を広げ日本屈指のサポート実績を誇る。2022年度の年間ドローン許認可案件は5,300件以上、登録講習機関のサポート数は100社を突破。ドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信している。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。

ドローン操縦に資格・免許は必要ない?

自動車の運転免許の様に国土交通省で航空法にもとづき資格・免許の発行は行ってはいません。ですが、技能・知識を証明するための民間資格がいくつか存在しており、各団体がそれぞれ違った名称で発行している資格を「ドローン免許」と表現している人が多いため、ドローンの操縦には資格・免許が必要だと勘違いしてしまった方が多いのではないでしょうか。ドローン資格交付のイメージ図ドローンの民間資格とは、一般的に『ドローンスクール』の講習や実技を修了した際に発行される資格や修了証の事です。各ドローン資格団体が運営するドローンスクールに受講することで取得でき、団体ごとに資格の名称が異なります。現時点ではドローンを操縦するうえで必要な公的な『免許』が存在していないため、資格を持っていないからといって違法になるということはありません。

ドローンの飛行に資格・免許は必要ありませんが、場合によってはドローンの飛行場所と飛行方法に規制があり申請が必要なためしっかりと確認したうえで飛行させるようにしましょう。後に100g未満のドローン飛行規制について詳しく解説していきます。

『航空法』規制ほぼ無し100g未満のドローン


<『航空法』規制ほぼ無し100g未満のドローン>

平成27年9月に航空法の一部が改正され、平成27年12月10日からドローンやラジコン機等の無人航空機の飛行ルールが新たに導入されることとなりました。
法改正により対象となる無人航空機は、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(00g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」です。いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。

 航空:飛行ルールの対象となる機体の画像 - 国土交通省

国土交通省:航空局より

100g未満ドローンの飛行規制


ここから100g未満のドローンに関係する法律・規制・条例をご紹介していきます。

▼100g未満のドローンを飛行させるうえで気を付けなくてはいけない法律・規制・条例は主に6つ存在します。

1.航空法(一部適用)
2.小型無人機等飛行禁止法
3.民法
4.電波法
5.道路交通法
6.都道府県、市区町村条例

それぞれの法律・規制・条例を順に解説していきます。

1.航空法(一部適用)


国土交通省:航空局によると、航空法の適用は「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(100g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く」と提起されています。

しかし、航空法でも規制が一部適用となる項目もあるので注意が必要です。

航空法での規制出典:国土交通省

【飛行禁止区域】
(A)空港等の周辺の上空の空域
(B)150m以上の高さの空域
(C)人口密集地区の上空
(D)緊急用務空域

上記の(A)(B)(D)の2つの空域では、100g未満のドローンであっても、航空機の航行の安全に影響を及ぼす可能性が高い空域のため、ドローンを飛行させる場合には、あらかじめ、国土交通大臣の許可を受けなければいけないケースがあります。

2.小型無人機等飛行禁止法


警視庁ドローン禁止区域のポスター出典:警視庁ホームページ

◆規制内容


本法第9条第1項の規定に基づき、警視庁が所管する「小型無人機等飛行禁止法」の対象施設周辺地域は(対象施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね300メートルの地域)の上空においては、100g未満のドローンであっても飛行を禁止しています。

・皇居
・霞が関の諸官庁
・国会
・政党本部
・原子力発電所
・米軍基地
etc…

▼【小型無人機等飛行禁止の対象施設と管轄する警察所の詳細はこちら】
警視庁ホームページ

3.民法


民法では「土地所有権の範囲」として、土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ、と明記されています。そのため、100g未満のドローンであっても、誰かの所有地でドローンを飛行させる場合、土地の所有者や管理者の承諾を得るのが望ましいです。

なお、民法では土地の所有権に正確な高さが明記されていません。ですが、第三者の土地の上空でドローンを飛行させる場合は、事前に許可を得ることが、最低限のマナーといえるでしょう。

【私有地の例】
・駐車場
・電車の駅、路線
・神社、仏閣
・観光地
・山林
etc…

4.電波法


ドローンは本体となる「機体」を「送信機(プロポ)」からの無線電波によって操作します。無線局免許や無線従事者資格が不要ですが、他の電波装置との混線などを防ぐため、『技術基準適合証明等(技術基準適合証明及び工事設計認証)通称:技適』を取得を義務付けています。

DJIやParrotなどの大手メーカーの正規販売代理店が販売するドローンは、基本的に技適通過済みなので問題ありませんが、技適を受けていない海外製のものもあるので、ドローンを飛行させる前に、きちんと確認するようにしましょう。

技適マークの画像

◆技適マークが付いていない無線機はどうして使用できないのか?

技適マークがない無線機器の使用は、法律の遵守、通信環境の保護、利用者の安全確保の観点から禁止されています。

電波は多くの人が利用しており、現在の社会生活に欠かすことのできない重要なものですが、電波は有限希少ですので効率的に使って頂くために、使用するチャンネルや送信出力、無線機の技術基準など様々なルールが設けられています。
技適マークが付いていない無線機の多くは、これらのルールに従っていません。このような無線機を使用すると、知らずに他人の通信を妨害したり、ひいては社会生活に混乱を来すことになりかねません。
技適マークの付いていない無線機の購入・使用は十分ご注意下さい。

総務省:電気利用ページ

日本で無線機器を使用する際は、必ず技適マークが付いていることを確認し、正しく運用することが重要です。

5.道路交通法


『道路交通法』では、第七十七条で「道路において工事若しくは作業をしようとする者」に対して「道路使用許可申請書」を管轄の警察署に提出し、事前に許可証を取得しなければならないと定めています。道路上や路肩などでドローンの離着陸を行う場合はこのケースに該当するため申請が必要です。また、道路を通行する車両に影響を及ぼすような低空を飛行する場合も同様の許可が必要です。

▼【道路使用申請の管轄の詳細はこちら】
警視庁ホームページ

6.都道府県・市区町村


ここまで紹介したドローンの飛行に関する法律は、日本全国どこであっても適用されますが、『条例』に関しては都道府県、市町村によって各々異なります。ドローンを飛行させる場合には事前に飛行させる場所の確認が必要です。

【条例の事例】
都立公園もドローン使用禁止 都、81カ所に通知 |日経新聞
県立都市公園内でのドローン禁止の掲示について|千葉県庁
公園・公共施設 よくある質問|相模原市

その他、法律以外での注意点


法律に明記された禁止事項でなくても、ドローンを利用する上で避けるべきことや注意すべきことが存在します。周囲の状況などに応じて、さらに安全への配慮が求められるので、以下にまとめていきます。

<国家的行事やイベント関連施設の付近>

G20サミットやワールドカップ、米大統領来日など国家的行事やイベントの際には関連施設の周辺が突発的に飛行禁止区域に指定される場合があるので注意が必要です。


<航空機の発着場付近>

空港等以外の場所でも、ヘリコプターなどの離着陸が行われる可能性があります。航行中の航空機に衝突する可能性のあるようなところでは、ドローンを飛行させないでください。


<高速道路や新幹線等の上空>

高速道路や新幹線等に、万が一ドローンが落下したりすると、交通に重大な影響が及び、非常に危険な事態に陥ることも想定されます。それらの上空及びその周辺ではドローンを飛行させないでください。


<鉄道車両や自動車等の上空>

鉄道車両や自動車等は、トンネル等目視の範囲外から突然高速で現れることがあります。そのため、それらの速度と方向も予期して、常に必要な距離(30m)を保てるよう飛行させてください。


<高圧線、変電所、無線施設の付近>

高圧線、変電所、電波塔及び無線施設等の施設の付近ならびに多数の人がWi-Fi などの電波を発する電子機器を同時に利用する場所では、電波障害等により操縦不能になることが懸念されるため、十分な距離を保ってドローンを飛行させてください。

最後に…ドローンの資格があると


現在ドローンを飛行させるうえで必要な資格はありません。そうなると「ならドローンの資格・免許ってとる必要ある?」と思われるかもしれませんね。

ドローンに関しての知識・操縦技術を客観的に証明する資格があれば、国土交通省など担当管轄への飛行許可申請を行う際に申請を簡略化することができ、また申請も通りやすくなります、そのためドローンを活用した仕事・ビジネスをする場合は資格が有利に働くシーンが多く、ドローン資格を所持していることがアドバンテージとなります。自身の収入にも直結してくるポイントなので資格取得を是非、検討してみましょう。

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