日本でドローン配達は実現可能?いつ実現する?

ドローン 配達のアイキャッチ画像

物流や配送業界も人手不足や二酸化炭素排出などの問題がある中、ドローンの誕生によって今後大きな発展が起こるのではないかと言われてます。

楽天グループ株式会社の情報によると、年々宅配便の取扱件数が増加しており、今後もさらにドローンの配送件数は増加すると見込まれてます。

今後ドローンに対する規制緩和や5G回線の普及によるネットインフラ向上により、ドローンがもっと身近なものになります。

そこで本記事では、物流業界はドローンによって今後どのようになるか、日本と海外の現状を比較します。

【本記事でわかること】
・日本でドローン配達が実現するのはいつなのか
・日本では既にドローン配達が実施されているのか
・ドローン配達が実現すると解決する日本の問題とは
・海外ではドローン配達が実施されているのか

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日本でドローン配達が実現するのはいつ?

ドローンの配送は、複数の機体を同時に飛行させなければならないため、2025年頃から一般的なドローン配送が実現するのではないかと予測されてます。

2022年6月の国家資格施行後に関する新たなルールが改正され、ドローンに関する規制がより厳しくなりました。

日本では2022年の12月に航空法の改正が行われると言われており、もし改正が行われると人がいる区域での目視外飛行(レベル4)が可能になります

目視外飛行(レベル4)とは・・・レベル3までの実証実験で行われていた物流、防災作業を住宅街など人がいる地域である第三者上空で実践導入する段階のことです。

レベル4が導入されることで、ドローンを物流のツールとして利用できるというメリットがありますが、ドローンを人がいる上空に飛ばすため、危険を伴う飛行方法でもあります。

政府が公表している「空の産業革命に向けたロードマップ2021」の4ページ目によると、2022年度にはレベル4飛行を可能にするための制度の実現に向けて動くと発表してます。

2023年度前半には、離島や山間地域でレベル4の飛行を実現させ、2023年度後半からは徐々に人口の多い地域で飛行を実現できるように動きを進めていく予定です。

より多くの機体を同時飛行させることを目指しており、配送の実現に向けて動いています。

日本郵便が配送実験をおこなっている

日本郵便、日本初のドローンと配送ロボットが連携した荷物配送実験の画像

出典:ドローンジャーナル

日本郵便は、2021年12月から東京都奥多摩町でドローンと配送ロボットを連携させた配送実験を行ってます

それ以前は、2018年11月に福島県相馬市と浪江町で日本初の目視外飛行(レベル3)の郵便物の配送を実施しています。

また、日本郵政グループと業務提携した楽天グループ株式会社も期間限定ですが、2019年7月4日から3ヶ月間で神奈川県横須賀市の「西友 リヴィンよこすか店」から、猿島にバーベキュー食品を配送するサービスを提供していました。

本題に戻りますが、日本郵便は配送ロボットとドローンを組み合わせた配送も行っております。

奥多摩町の場合、峰生活改善センターまでドローンを利用した空輸が行われます。

峰生活改善センターには配送ロボットが待機しており、ドローンが投下した荷物をロボットが受け取ります。

荷物を受け取った配送ロボットが集落内の公道を走り、住宅の前まで荷物を配送する実験が行われました。

置き配という形での配送となりますが、ドローンが民家に直接配送しないため、民家に直撃するリスクなどが大幅に下げられます。

実験では数件の配送となりましたが、今後は実験を繰り返し、実用化に向けて取り組んでいくとコメントを残しています

ドローン配達が実現すると解決する課題とは

数年後に実現が予想されているドローン配送ですが、実際に実現したらどのような課題が解決できるかを確認してみましょう。

ドローン配達が実現すると解決する課題は、次の通りです。

・人手不足問題
・再配達問題
・交通渋滞
・過疎地の配送

近年、日本でも働き方の多様性が増えたことや、ネットショッピングの利用人口増加によりドライバー不足が問題視されています。

「人から人へ荷物を送る」「企業からスーパーなどに荷物を送る」が今までの物流でしたが、「企業から個人へ荷物を送る」ことにより配送件数は年々増加しています。

また、配送しても必ず家にいる訳でもないため、再配達によるドライバーの負担や交通渋滞にも繋がってます。

もしドローン配送が実現すれば、無人で配送できることから、置き配が主流となるのでドライバーの負担が軽減することが予測できます

また、空から荷物を届けるので、交通渋滞の解消にも繋がります。

日本では地方の人口減少により、一人当たりの配送距離が遠くなっている問題もあります。

それらの問題もドローン配送により解決が可能で、配送業者は低コストで遠くに配送できます。

ドローン配送は危険と認知されている層も多くいるのが現実ですが、日本が抱える物流の問題を解決するには、ドローンを取り入れることが必要です。

日本でも物流業界の課題を改善するための動きが活発化しているので、今後の動きに注目しておきましょう。

海外ではドローン配達はどうなっているのか?

日本では2022年から段階的に配送業界でもドローンが活用される予定ですが、海外では一体どのくらい進んでいるのかを確認してみましょう。

アメリカでは、ドローン製造メーカー・Flirtey社が個包装の配送に成功しました。

米・セブンイレブンと連携し、「ドリンク」「サンドイッチ」「ドーナツ」のドローン配送に成功しています。

その結果、直接お客さんの家に荷物が届けられるため、わずか数分で配送を終えることができました。

さらに、米・ドミノピザもFlirtey社と連携し、ニュージーランドでドローンによるピザの配送サービスを提供しています。

別記事で紹介した、おすすめのドローンの中でも特に存在感が増す中国のDJIも配送にドローンを活用しています。

アメリカやニュージーランドでは商品の配送がメインでしたが、中国では生物検体の配送が開始されました。

例えば、浙江省血液センターと浙江大学二院によって血液の輸送ルートを確保したことにより、急速な人命救助に繋げることも期待できます。

中国では個人向けの配送だけでなく、医療など企業や組織向けの配送も急速に進んでいます。

Amazonがドローン配達システムを刷新し、新型ドローンが1日数十個の荷物を顧客に配達

ドローン配送サービス『Amazon Prime Air』の画像

出典:Amazon

Amazonが10年以上前に構想を発表したドローン配送サービス『Amazon Prime Air』が、現実に近づいています。

アメリカ・アリゾナ州の施設では、36kgの新型ドローン「MK-30」が顧客向けに商品を日々配達しており、1日に数十個の荷物を運んでいると報じられています。

Amazonは2013年にAmazon Prime Airを立ち上げ、当時のCEOジェフ・ベゾス氏は「4~5年以内のサービス提供」を目指していました。

ドローン配送サービス『Amazon Prime Air』の画像

出典:Amazon

しかし、FAA(連邦航空局)の承認遅延などの影響で開始時期は大幅にずれ込み、2022年に一部地域での提供が開始されました。

2024年11月には、アリゾナ州ウェストバレーでのサービスもスタートしています。

新型ドローン「MK-30」の画像

出典:Amazon

MK-30は時速約117kmで飛行し、注文後に商品を梱包して積載。高度約120メートルまで上昇し、配送先の庭に荷物を投下します。

現在は重量2.3kg以下の商品が対象で、1回に運べるのは1商品だけです。

送料はプライム会員が約1500円、非会員は約2250円となっています。

課題も多く、MK-30には騒音や天候の制限、発着場所に必要なスペース、住民の理解不足などの問題があります。

現在の配達量は通常の車両1台分に遠く及ばず、夜間配送も行っていません。

新型ドローン「MK-30」の画像

出典:Amazon

ただし、Amazonは2025年に複数商品の同時配送を開始し、2029年までに年間5億個の荷物を30分以内に配達することを目標にしています。

ドローン配送は技術革新の象徴である一方、社会的課題への対応が今後の成長の鍵となりそうです。

この記事の監修者
バウンダリ行政書士法人 代表社員 特定行政書士 佐々木慎太郎
ドローンに関する許認可申請、許認可管理、法務顧問を専門とするバウンダリ行政書士法人(東京・仙台)の代表。飛行許可申請をはじめ登録講習機関の開設やスクール運営、事業コンサルティングなど支援の幅を広げ日本屈指のサポート実績を誇る。2022年度の年間ドローン許認可案件は5,300件以上、登録講習機関のサポート数は100社を突破。ドローン安全飛行の啓蒙活動として、YouTube「ドローン教育チャンネル」を開設するなどSNSで最新の法律ルールを積極的に発信している。著書に『ドローン飛行許可の取得・維持管理の基礎がよくわかる本』(セルバ出版)がある。

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