映画やドラマ、アニメでも目にすることが多くなったドローンですが、空撮以外にもeスポーツ分野として『ドローンレース』が人気を集めています。
海外では、ドローンレースの優勝賞金が一億円を超える大会が開催されるなど、大規模なレースから誰でも参加しやすい小規模なレースまで幅広く開催されています。
そこでこの記事では、ドローンレースの概要やその種類、国内・海外で開催されたドローンレースの過去事例を紹介します。
また、ドローンレースの始め方やレースに参加するために取得しておいた方が良い資格も解説しています。
この記事でわかること
・ドローンレースの概要
・ドローンレースの種類
・国内外で開催されているドローンレース
・ドローンレースの始め方
・ドローンレースに参加するために必要な資格
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ドローンレースの概要は?
ドローンレースは、ドローンを操縦し、指定されたコースを飛行して競う競技です。
高い機動力とスピードを持つドローンの特性を活かした迫力ある展開が、この競技の大きな魅力となっています。
ドローンレースにはさまざまな形式があり、国際的な規模の大会から初心者向けの小規模なイベントまで、多岐にわたります。
また、ドローンの重量や操縦方法などによってもレースのタイプが異なるため、自分のスキルや目的に合ったレースを選ぶことが重要です。
老若男女問わず楽しめるエアスポーツ
ドローンレースは、特定の区間を飛行する際のタイム(ラップタイム)で競う形式や、全体の飛行時間を比較する形式、さらに個人戦や団体戦など、大会によってルールはさまざまです。
ほとんどの大会では年齢制限が設けられていないため、小学生や10代のレーサーが活躍する場面も見受けられます。
特に、国内で最高レベルとされる「ジャパンドローンリーグ(JDL)」では、13歳の中学生が優勝を果たし大きな注目を集めました。
ドローンレースは操縦スキルが重要で、体力に頼らない競技のため、子どもや女性でも性別や年齢を問わず対等に競い合える大きな魅力があります。
競技人口は年々増加している
ドローンレースの競技人口は、日本では約1,000~2,000人、海外ではおよそ5万~8万人と推定されており、年々その数が増加傾向にあります。
2018年には、日本で初となるプロドローンチーム『RAIDEN RACING』が誕生し、2022年からはワールドゲームズという国際大会に新たな競技種目として採用されるなど、エアースポーツとして注目を集めています。
※ワールドゲームズは、国際ワールドゲームズ協会(IWGA:International World Games Association)が主催する大会で、オリンピック競技に含まれない種目を対象とした国際的な総合スポーツイベント。
ドローンレースの種類
ここでは、ドローンレースの種類を詳しく解説します。
【ドローンレースの種類】
1.目視内レース・目視外レース
2.屋内レース・屋外レース
3.ドローンレースの種類は機体重量やサイズによっても分かれる
それではここから、1つずつ紹介します。
1.目視内レース・目視外レース
ドローンの操縦方法には、「目視内」と「目視外」の2つの種類があります。
レース種別 | 特徴 |
目視内レース | ドローンを目で追いながら操作する初心者向けレース |
目視外レース | FPV機能を使用し、免許取得が必要な上級者向けレース |
目視内レースは、操縦者が機体を直接目で確認しながら操作する形式のレースです。
視界内での操縦となるため、比較的シンプルで初心者でも参加しやすい特徴があります。
一方、目視外レースでは、FPV(First Person View)機能を活用します。
これは、ドローンに搭載されたカメラが撮影する映像を、手元のモニターや専用ゴーグルで確認しながら操作するスタイルです。
この方式では、まるでドローンに乗っているかのような視点で操縦を楽しめます。
特にゴーグルを使用することで、迫力と臨場感がさらに増します。
ただし、FPVを利用した目視外レースには無線免許が必要になる場合があるため、参加のハードルは高く、主に経験者向けとされています。
2.屋内レース・屋外レース
ドローンレースは、大きく分けて「屋内レース」と「屋外レース」の2種類があります。
レース種別 | 特徴 |
屋内レース | ・天候の影響を受けない ・狭い空間での操縦技術が必要 |
屋外レース | ・天候条件が飛行に影響 ・広いスペースで自由に飛行可能 |
屋内レースは天候の影響を受けないため、風による操縦の難しさを回避できるのが特徴です。
そのため、技術的な難易度は比較的低めとされていますが、狭い空間での開催となるため、細やかな操縦スキルが求められる点が特徴です。
一方、屋外レースは風の影響を受けやすく、安定した操縦技術が必要です。
広い空間を利用するため、スピード感あふれるダイナミックな展開が楽しめるのが魅力となっています。
3.ドローンレースの種類は機体重量やサイズによっても分かれる
ドローンレースは、ドローンの重量やサイズによって、レースの種類が分類されています。
重量 | 特徴 | 主な活用例 |
100g未満 | ・法規制の対象外となり、飛行許可申請が不要な場合がほとんど ・初心者が参加しやすい |
マイクロドローンレース |
100g以上 | ・法規制の対象となり、飛行許可申請が必要になることが多い ・操縦スキルが求められ、経験者向け |
・5インチレース ・3インチレース |
基準の一つとして、航空法の規制対象である「100g以上」と、規制対象外の「100g未満」による違いがあります。
100g未満のドローンを使用するレースは、航空法の規制が適用されないため、飛行許可の申請が不要です。
そのため、初心者でも簡単に参加でき、気軽に楽しめます。
小型のドローンを用いるレースは「マイクロドローンレース」などと呼ばれる一方、100g以上の機体で競うレースは「5インチレース」や「3インチレース」といった名称で親しまれています。
国内外で開催されているドローンレースの事例
ここでは、国内外で開催されているドローンレースの事例を紹介します。
【国内外ドローンレースの事例】
1.JAPAN DRONE LEAGUE
2.JDSFドローンレース
3.JMA TINY DRONE CHAMPIONS LEAGUE
4.FAI World Drone Racing Championship
5.World Drone Prix
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
1.JAPAN DRONE LEAGUE
JAPAN DRONE LEAGUEは、一般社団法人JDLが2016年に設立し、毎年開催されている日本国内のドローンレース大会です。
この大会は、国内で最大規模を誇り、参加者のスキルレベルに応じてクラス分けが行われています。
リーグ戦で上位にランクインした選手は世界大会への参加権を得られるため、国内トップクラスの操縦技術を持つパイロットたちが集結します。
競技で使用されるのは、5インチサイズのFPV(First Person View)ドローンです。
2.JDSFドローンレース
JDSFドローンレースは、一般社団法人JDSFが主催する競技大会です。
この大会は、日本国内で世界基準を満たすプロドローンリーグの創設と運営を目指しており、2023年には富士急ハイランドで初開催されました。
3.JMA TINY DRONE CHAMPIONS LEAGUE
JMA TINY DRONE CHAMPIONS LEAGUEは、一般社団法人日本マルチコプター協会が企画・運営する、マイクロドローンを対象とした競技大会です。
この大会では、機体重量が40g程度の軽量ドローンを使用しており、全国各地でレースが展開されています。
イベントでは、マイクロドローンのコンパクトさを活かし、商店街をコースとして活用するなど、ユニークな会場設計が行われる特徴があります。
4.FAI World Drone Racing Championship
FAIワールドドローンレーシングチャンピオンシップは、国際航空連盟(FAI)が主催するドローン競技の世界大会です。
開催頻度は年々増加しており、2023年には韓国で開催されました。
競技で使用される機体は、マイクロドローン以上のFPV(ファーストパーソンビュー)ドローンが指定されています。
5.World Drone Prix
World Drone Prixは、総額1億円以上の賞金が用意された、世界トップクラスの規模を誇るドローンレースです。
2016年にドバイで初開催され、当時わずか15歳のドローンパイロットであるLuke Bannisterがリーダーを務めたチーム「X-Blade Banni-UK」が優勝し、大きな注目を集めました。
ドローンレースの始め方5ステップ
これからドローンレースに参加する方や、始めて見たいと考えている方の多くは「ドローンレースに参加するにはいくら必要なの?」「どんな機体を選べばいいの?」「飛行許可申請は必要?」など多くの疑問や不安を抱えていると思います。
そこでここでは、ドローンレースを始めようと考えている人向けに分かりやすくドローンレースの始め方を解説します。
【ドローンレースの始め方】
ステップ①:ドローンレースに必要な費用を準備する
ステップ②:ドローンレースに必要な機体を選ぶ
ステップ③:ドローンの機体登録を行う
ステップ④:国土交通省へ飛行許可・承認申請を提出する
ステップ⑤:ドローンレースに参加する
それではここから、1つずつ紹介します。
ステップ①:ドローンレースに必要な費用を準備する
始めに、ドローンレースを始めるための費用を準備します。
ドローンレースを始める際の主な費用は以下のようになります。
項目 | 費用相場 |
機体の購入費用 | 約1万円から20万円程度 |
大会エントリー費用 | 約1万円 |
資格取得にかかる費用 | 3万円から4万円前後 |
最初に、ドローンレースに必要な機体を購入します。
その際には、レースの種類に応じて適したドローンを選ぶ必要があります。
たとえば、初心者向けの目視内レース用ドローンであれば、1万円前後から購入可能です。
一方、FPV(First Person View)レース用ドローンでは、ゴーグルや追加の機器が必要となるため、総額が10万円を超える場合もあります。
上級者になると、パーツごとにカスタマイズを行い、自分好みのドローンを組み立てることが一般的で、その分コストも増える傾向にあります。
次に、大会への参加費用はイベントによって異なりますが、1万円程度を目安に考えておきましょう。
さらに、FPV飛行する際には無線免許の取得や開局申請が必要で、これには1〜3万円程度の費用がかかります。
初心者の場合、必要な初期費用は数万円から始められるため、比較的手軽に楽しめる趣味と言えます。
ステップ②:ドローンレースに必要な機体を選ぶ
次に、ドローンレースに必要な機体を選びます。
ドローンレース用の機体を購入する方法は、主に3つのタイプに分かれます。
タイプ | 概要 |
RTF(Ready to Fly) | 機体とプロポがセットで販売され、購入後すぐに飛ばせる初級者向けのセット商品です。 |
BNF(Bind and Fly) | 機体とプロポが別々に提供され、自分好みの組み合わせが可能な中級者向けの構成です。 |
自作(Custom Build) | 必要なパーツを個別に集めて組み立てることで、細部まで自分のこだわりを反映できる上級者向けの選択肢です。 |
ドローンレース用の機体には、それぞれのスキルレベルやニーズに合わせた選び方があります。
初心者には、必要な機材がすべてセットになった『RTFタイプ』がおすすめです。
購入後すぐに飛ばせるので、初めての方でも手軽にドローンを楽しめます。
ある程度経験を積んだ方には、好みに合ったプロポを選び、『BNFタイプ』の機体と組み合わせて使用する方法が最適です。
上級者になると、パーツ選びから始めて、自分だけのオリジナル機体を作る楽しさを味わえる『自作』が人気です。
自分に合ったドローンを選択することで、操作スタイルやレース戦略に完全に合わせたドローンを完成させられます。
ステップ③:ドローンの機体登録を行う
100g以上のドローンを購入した際には、法律に基づき必ず機体登録を行う必要があります。
もし、登録を行わずに100g以上のドローンを飛行させた場合、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科される可能性がありますのでご注意ください。
機体登録に関する詳細は、以下の公式サイトをご確認ください。
関連記事:無人航空機登録ポータルサイト
ステップ④:国土交通省へ飛行許可・承認申請を提出する
100g以上のドローンを使用する場合、航空法の対象となり、国土交通省への飛行許可や承認が求められます。
屋内のレース会場であれば航空法の規制を受けないため、申請なしで飛行が可能です。
しかし、屋外で100g以上のドローンを使うレースでは、事前に申請が必要となる場合があります。
特にFPV(ファーストパーソンビュー)を用いたレースでは目視外飛行が必須になるため、会場の状況によっては追加の飛行申請が必要になることもあります。
飛行許可が必要かどうかは、レースの種類や大会ごとに異なるため、事前に大会要項をしっかり確認するようにしましょう。
ステップ⑤:ドローンレースに参加する
ここまで準備が整ったら、いよいよドローンレースに参加します。
【ドローンレースの参加手順】
1.開催されているレース情報を調査し、出場する大会を決定する
2.大会規約や要項を詳しく確認する
3.競技用の機体を準備する
大会要項には、参加資格や競技ルールなどの重要な情報が記載されているので、事前に確認してください。
FPVドローンを使用するレースの場合、参加に先立ち、無線従事者免許の取得や無線局の開局申請が必要となる場合があります。
さらに、FPVドローンで目視外飛行を行う際には、機体の重量に応じて飛行許可申請が必要なケースもあります。
ドローンレースの参加には特別な資格が必要?
ドローンレースにはいくつかの種類があり、中には事前に資格を取得しなければならないものもあります。
初心者向けの大会(例えばトイドローンを使用するもの)では、資格が不要な場合が多いですが、どの大会で資格が求められるのかを理解しておくことが重要です。
【ドローンレースに必要な資格】
1.二等無人航空機操縦士(国家資格)
2.第4級アマチュア無線技士
3.陸上特殊無線技士(第3級以上)
そこでこの記事では、ドローンレースに参加する際に必要となる資格について詳しく解説します。
1.二等無人航空機操縦士の国家資格を取得すると飛行許可申請が不要になる
FPVドローンを用いて目視外飛行を実施する場合、事前に飛行許可申請が求められますが、国家資格を取得すればこの申請が不要になります。
飛行許可を不要とするためには、『第二種機体認証を受けたドローン』と『二等操縦者技能証明』の両方が必要です。
2024年の現時点では、レース用ドローンで機体認証を取得しているものは存在しません。
しかし、将来的に認証を受けたドローンが登場すれば、煩雑な許可申請手続きを省略できるようになるため、ドローンレースへの本格的な参加を考えている方は国家資格取得を検討する価値があります。
ドローン国家資格は、国土交通省「登録講習機関」に認定されたドローンスクールを受講することで取得できますが、充実したアフターサポートと支援でドローンパイロットを多数輩出している『ドローン免許学校(旧NBドローンスクール)』がおすすめです。
ドローンに触れたことがない初心者でも、二等無人航空機操縦士の国家資格が取得できるスクールとなっています。
さらに、機体認証を持たないドローンであっても、国家資格を取得することで1年間有効な包括申請が行えます。
この申請により目視外飛行などの許可・承認をスムーズに得られるため、資格を取得しておくことは非常に有益です。
関連記事:【2024年11月最新】ドローンの包括申請とは?メリット・できることを徹底解説!
2.大会で使用する電波によっては『第4級アマチュア無線技士』の資格が必要になる
FPVドローンを操作する際に、5.8GHz帯の電波を使用する場合は『第4級アマチュア無線技士』の資格が必要です。
この資格を取得するには、講習会を受講し試験に合格する必要があります。
ただし、講習会に参加せず直接試験を受験することも可能です。
さらに、第4級アマチュア無線技士の資格を取得後、「アマチュア無線局」の開局手続きも行わなければなりません。
特にFPVドローンを使ったレースへの参加を予定している場合、死角が必要になることが多いので、資格取得を前向きに検討しましょう。
3.賞金が出るレースの場合は『陸上特殊無線技士(第3級以上)』が必要になる
賞金付きのレースに参加する際には、FPVドローンを操作するための電波利用が「業務目的」と見なされる場合があります。
この場合、『陸上特殊無線技士(第3級以上)』の資格が必要になる場合があります。
ただし、この点に関しては国内での規定が曖昧で、明確ではない部分が多いのが現状です。
ただ、将来的に資格が求められる可能性も考えられるため、事前に取得を検討しておくと安心できます。
まとめ
この記事では、ドローンレースの概要や種類、国内外で開催されているドローンレースの事例を詳しく紹介しました。
また、ドローンレースの始め方や取得をおすすめする資格についても徹底解説しています。
ドローンレースは、2010年半ばごろから、小型で高速のドローンが登場し、その操縦技術を競うスポーツとして世界中で注目を集めるようになりました。
競技人口は年々右肩上がりとなっており、レースの種類も豊富なため、老若男女問わずに楽しめるエアスポーツとして親しまれています。
定期的にドローンレースの大会も開催されており、初心者からでも参加できるので、是非この機会に参加してほしいと思います。
おすすめのドローンスクールは?
おすすめのスクールを知りたいという問い合わせを多く頂くため、当サイトのおすすめドローンスクールを紹介します。
当サイトのおすすめのドローンスクールは「ドローン免許学校(旧NBドローンスクール)」です!
ドローン免許学校は株式会社スカイリードが名古屋を中心に全国展開中のドローンスクールです。
当サイトでも1番おすすめのスクールで、最も受講生をご紹介させて頂いています。
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どのドローンスクールも教えられる内容には大差はなく、受講する生徒のほとんどが講師の人柄やアフターフォロー(仕事紹介)などでスクールを選択しています。
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