近年ではドローンを操縦して仕事をしたり、カメラを持って歩いて行けない場所などの撮影をする人が増えてきています。ドローンユーザーの増加に伴い、気を付けなければならないのはドローンに関する法律です。
しかし、「ドローンの法律と言われても、覚えることが多そうだし難しそう」といった不安を持つ方は多いと思います。
そこで本記事では、ドローンの免許、ドローンと国土交通省、ドローンの法律、ドローン免許が発行されるまでの流れ、ドローンスクールを選ぶポイントをご紹介しています
ドローンには車と同じく免許が存在する?
そもそもなぜドローンの操縦に資格が必要になったかというと、2015年4月に総理大臣官邸の屋上に所有者不明のドローンが発見された事件、また翌月2015年5月9日には長野県長野市の善光寺で御開帳の行事が行われている中で、15歳少年が操縦するドローンが境内に落下する事故がありました。こうした事件がきっかけで改正航空法が施行されるようになったと言われています。
実はドローンに関して「免許」というのは存在しません。国土交通省が航空法に基づいて、国からドローン免許を発行するということもありません。なのでドローンに免許は存在しないと言えます。
しかし、インターネット上では「ドローン免許」という言葉が使われていることが多いと思います。これは、ドローンの民間資格の認定を「ドローン免許」と呼ぶ人がいるからです。
以下、自動車とドローンのそれぞれの区分について記載しています。
自動車 | ドローン | |
運転(操縦)する物 | 普通自動車 | ドローン |
免許の名称 | 普通自動車免許 | 認定団体で異なる |
根拠になる法律 | 道路交通法 | 航空法・道路交通法 |
認定団体 | 公安委員会 | 各民間団体 |
無免許での運転(操縦) | 違法 | 違法ではない |
以下の記事でドローンの国家資格化や民間団体の免許について詳しく解説しています!
【2022年4月最新】ドローン免許は国家資格?操縦にはスクールに通う必要があるのか解説!
ドローンは国土交通省が関係している
免許がなくても基本的にはドローンを飛ばすことは出来ますが、場所によっては国土交通省の許可が必要になる場合があります。以下に国土交通省HPが出しているドローンの許可・承認手続きについて記載します。
航空法第132条に定める「飛行禁止空域」における飛行や同132条の2に定める「飛行の方法」によらない飛行を行おうとする場合、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までに、申請書類を提出してください。ただし、申請に不備があった場合には、審査に時間を要する場合もあるため、飛行開始予定日の10開庁日前からさらに、期間に相当の余裕をもって申請してください。(国土交通省公式HPより)
ドローン免許の発行に関しては「国土交通省(官公庁)が直接認定している」わけではなく、「国土交通省が認定した民間の講習団体」が発行している資格があります。
ドローン免許は運転免許証のように公安委員会などの公的機関が認定する物とは言えません。DJIやDPA、JUIDA、エンルートのような国土交通省登録管理団体が管理を行い、更にその傘下の個人や企業が講習を行うことによって、資格や修了証が発行される仕組みになっています。
ですので、「ドローン免許を持っている」というと語弊を生みやすいので、「認定資格を持っている」と言うと良いです。
ドローンの法律とは?
全く不安なく理解するにはドローンスクールがおすすめです。
ドローンの操縦士になるために、免許や国家資格は必要ありません。ではなぜドローンスクールに通う必要があるのかというと、ビジネスにおけるドローン操縦士を目指そうとする人が技術力や実務経験を積み、仕事として活用できるようにするためです。
また航空法による規制を外す申請、国土交通省の許可承認を得るには大体10時間の飛行履歴が必要になります。
もし個人でドローンの練習をしようとしても、ドローンの扱い方や操縦方法、練習場所の確保など時間が掛かってしまいます。ですので、プロのドローン操縦士を目指すなら、ドローンスクールで知識と技術を身に付けた後に認定試験に合格する事が近道になります。
以下に、ドローンスクールを選ぶポイント3つをご紹介します。
1.費用
ドローンスクールによって掛かる費用は様々あります。eラーニングを導入しているスクールを選べば比較的安価に受講可能です。
また練習用のドローンやテキストが授業料別で掛かる場合があるので、受講したいと思うスクールを事前に確認しておくことをおすすめします。
2.講座内容
ドローンスクールによって講座内容は様々です。
座学だと・・・法律、操作方法、パーツの名称などといった基本的な事から、メンテナンスや動画編集の技術といった数多くの事が学べます。
実技だと・・・スクール側が用意してくれたドローンを飛ばし勉強可能です。スクールによっては普段使えないような高額なドローンを触れるチャンスがあります。
認定試験や仕事では、操縦経験が必要になってきます。そのため実技時間が多いドローンスクールを選ぶ事をおすすめします。
初心者~上級者までレベル別に講座内容が異なるドローンスクールもあるため、自分のレベルに合った講座や自分が受けたい講座を事前に調べておき、ドローンスクールを選ぶ事をおすすめします。
3.卒業後のサポート
スクール選びで重要になってくるのが、卒業後のサポートです。卒業した後、特にサポートもなく終わりというようなフォローのないスクールはお勧めできません。卒業後も技術を磨けるような講習があり、練習場を使えるようなスクールは安心して通えます。
しかし現状では口コミの数が少ないため、無料体験や無料説明会に参加し自分で納得して決める事をおすすめします。
「ドローンスクールに通うのは抵抗あるし資金面で余裕がない」と思っている人でも、DJI社がドローンスクールで実際に使っている本を購入することで、ドローンスクールと比べ安い価格でドローンについての知識を身に付けることが可能となっています。
DJI CAMPテキスト(3,300円)
ドローンの免許を持っていると得られるメリットとは?
現在ドローンは一般的に広く知られ、遊び道具としてだけではなくビジネスにも展開されています。トイドローンだと1万円以下で買えて簡単に操作が出来ますので、多くの人が実際にドローンを手にしています。
その反面、だれでも簡単にドローンを操縦できてしまう事から「ドローンに関する事故」が増え始めています。ドローンの資格を取得する事で、正しい知識を身に付け安全に操縦してもらうという目的があります。
ドローン免許を取得できるスクールは国土交通省認可の団体が管理していますので、社会的信用があります。ドローンに関する仕事を受けたい人にとっては、国土交通省のお墨付きの団体下で免許を取得したという事実がおおきなメリットとなります。
ドローンの免許はどうやって発行されるのか?
ドローンスクールで取得できる免許は主にJUIDAの「操縦技能証明証」「安全運行管理者証明証」、DPAの「ドローン操縦士回転翼3級」などがあります。
ここでは
・ドローンスクール受講までの流れ
・JUIDA免許発行までの流れ
・DPA免許発行までの流れ
の3つをご紹介します。
【ドローンスクール受講までの流れ】
1.ドローンスクールを選ぶ
2.無料体験や説明会に参加
3.取得したい資格のコースを選ぶ
4.受講料を払う
【JUIDAの免許発行までの流れ】
1.修了証を発行してもらう
JUIDA認定のドローンスクールに通い「操縦技能証明証」「安全運行管理者証明証」を取得できるコースを修了した場合、ドローンスクールに「修了証(スクール修了証)」を発行してもらいます。
2.JUIDAにライセンス申請
ドローンスクールが発行してくれた修了証をそえて、JUIDAにライセンス申請する流れになります。
【DPAの免許発行までの流れ】
1.修了者情報の提供
DPA認定のドローンスクールで「ドローン操縦士回転翼3級」を取得できるコースを修了すると、ドローンスクールからDPAに修了者情報が提出されます。
2.会員登録とオンライン動画受講
DPAに免許発行してもらうためには「DPA技能会員」に登録し「オンライン動画」を受講するという流れになります。
免許を取るにはいくらほど掛かるのか
ドローン学校の費用は講習内容によって違います。費用には以下のものが含まれます。
・講習代
・テキスト代
・機体レンタル価格
・機体の保険料
・資格取得のための受験代
・証明書発行の申請料
また機体のレンタル費用は含まれておらず、持っていない人のみ別料金でレンタルできる場合もあります。また「機体代」と記載されていなくても、自宅練習用の小型ドローンの価格が含まれているドローンもあります。
基本的にドローンスクールの資格取得コースの費用は20万~35万程度です。しかし中には、極端に受講価格が安いなどの怪しい価格設定をしている質の悪いドローン学校も存在します。
ですので、このような悪質な価格設定をしているドローン学校に騙されないように資格取得に掛かる正しい費用を調べる必要があります。
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