当たり前のようにドローンが私たちの生活になじみ始めるのも時間の問題と言われている昨今、便利さとは裏腹にドローンがはらむ危険性や、実際の事件・事故も話題に上がります。
ドローンは過去に起こった事例などをもとに決められた規制や法律が存在しますが、正しく理解している人はまだ多くありません。
この記事ではドローンに関する法律や、過去のドローンに関連する事故や事件の事例、そういったことを起こさないために正しい知識を身に着けるにはどうしたらいいのかなど、わかりやすく解説していきます。
ドローンの基本的なルールとは?
ドローンにはドローン業界の常識(ルール)というものがあります。それは難しいものばかりではなく一般常識的に考えて誰でもわかるような内容のものから、少し特殊なドローン業界だけの常識が存在します。
ドローンは基本的には人がたくさんいる場所や重要文化財などの周辺では飛ばしてはいけないのですが、一部の常識のない人間によって不幸な事故が発生して、ドローン自体が良い印象を持たれていない場合もあります。
ですから、ドローンを飛ばす前にはドローンに関する基本的なルールや法律をしっかりと抑えることが重要です。
そういった常識やルールは、ドローンに関する情報をまとめたサイトでも見ることが出来ますし、国土交通省の「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」でも確認が可能です。
ドローンでルールを守らなかったら?
日本でのドローン利用者がちらほらと増え始めたころは、まだ明確な法律やルールがありませんでしたので、ドローン業界の健全性はドローンオペレーター1人1人のモラルに依存していました。
しかし、中にはドローンを悪用する人も出たり、人が多い場所やイベント会場などのドローンを飛ばすと危険な場所で空撮を行ったりする人が出るようになりました。
また、悪意がなくともちょっとした操作ミスであったり、強風に煽られ操作不能となり墜落させてしまう。といった事例も報告されています。
そういった事故や事例が発生するのを防ぐためにドローンの法整備は年々進んでいます。
ここからは過去に実際に起こった「ドローンに関する事故・事件」をご紹介します。
※最近の事故事例に関しては「平成31年度無人航空機に係る事故トラブル等の一覧(国土交通省に報告のあったもの)」から確認が可能です。
ドローンで起こった事件①:ドローン少年ノエル
こちらは2015年5月21日に発生した事件です。当時YouTuberとして活動していたノエル(当時15歳)が「三社祭でドローンを飛ばす」といった趣旨の投稿をSNS上で行い、それを受けた警察が威力業務妨害容疑で逮捕しました。
当時は15歳の少年が起こした事件としてネット上で話題になりました。国内の大きなイベントでのドローン事件はまだあまり多くなかったため、この事件をきっかけにイベント時のルールなどにドローンに関する項目が加えられるようになっていきました。
こういった未成年によるドローン事件が多発はしていないものの、将来的には車の免許のように18歳未満はドローンの免許取得が不可能になり、ドローンの購入制限がかけられるといったきっかけになる可能性は十分にあると考えられます。
以下は実際のニュース記事から引用したものです。
小型無人機「ドローン」を国会議事堂近くに持ち込むなどしていた横浜市の無職の少年(15)について、警視庁は21日、浅草神社(東京都台東区)の三社祭でドローンを飛ばすとの発言をインターネット上に投稿したとして、威力業務妨害容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、少年は、三社祭でドローンを飛ばすとの発言をネットに投稿し、奉賛会に警備を強化させるなど、通常の業務を妨害したとしている。
奉賛会は墜落事故を防ぐため、ドローンの使用をしないようホームページや会場で呼びかけていた。
この投稿を受けて、会場周辺や少年の自宅付近を警戒していた捜査員が15日午後、千代田区紀尾井町の清水谷公園で、ネット中継をしていた少年を発見。ドローンを取り出したところで職務質問をして、厳重注意のうえ母親に引き渡していた。(https://www.sankei.com/affairs/news/150521/afr1505210008-n1.htmlより)
ドローンで起こった事件②:官邸ドローン事件
2015年4月9日に発生した事件です。無職の男性が首相官邸上空へと発煙筒などを搭載したドローンを飛行させ落下させた事件です。この事件により世間では「ドローンは危ないもの」という見方が強まり、ドローン業界へのイメージが悪化しました。
こうした事件を今後防ぐために、重要施設の周辺にはドローンを飛ばせないようにする妨害電波を飛ばすなどの対応が今後必要となるかもしれません。
以下は実際のニュース記事から引用したものです。
首相官邸の屋上で小型無人機「ドローン」が見つかった事件で、威力業務妨害などの罪に問われた福井県小浜市の無職、山本泰雄被告(41)の判決公判が16日、東京地裁で開かれた。田辺三保子裁判長は懲役2年、執行猶予4年、ドローン没収(求刑懲役3年、ドローン没収)を言い渡した。
弁護側は「官邸職員の業務を妨害したとはいえず、原発再稼働を止めるための意見表明で、違法性はない」と無罪を主張。これに対し田辺裁判長は、業務妨害を認めた上で「合法的な表現手段によるべきであり、動機に酌量すべき点は乏しい」と指摘した。
判決によると、昨年4月9日未明、放射性物質を含む土砂を入れた容器や、発炎筒を搭載したドローンを飛ばして官邸の屋上に落下させ、同月22日に発見した官邸の庁舎管理担当職員らの業務を妨げた。(https://www.sankei.com/affairs/news/150521/afr1505210008-n1.htmlより)
ドローンの教科書はあるのか?専門家に聞く方がいい?
ドローンに関する法律やルールはまだまだ整備中で、最新の情報や更新された法律に関してはドローンに関する仕事をしている人でも追いきれない時があります。
そういった場合には、自分1人で理解したり解決する必要はありません。
最近ではドローンに関する書籍も発売されていたり、国土交通省が認可したドローンスクールも存在します。
ドローンについて安心して利用したい方や、ドローンに冠する情報交換・相談を行いたい方は、そういった場所に足を運び最前線で活躍するプロの方に教えていいただくのがおすすめです。
ドローンのスクールは?
ドローンには“免許のようなもの”があり、それを発行するスクールが存在します。スクールでは、ドローンに関する知識や法律が学べるだけでなく、実技講習も受けられるためドローン全般に関するスキルアップがしたい方はおすすめです。
また、スクールには免許取得をめざすガッツリしたコースだけでなく、ドローンに関する基礎的なことを軽く学べるコースもあり、値段も大きく変わりますので、自分がどちら向きなのかによりスクールに通いましょう。
ドローンのスクールや免許に関する詳細は別記事にて解説しておりますので、詳しく読みたい方はこちらをご覧ください。
スクールではドローンの全てを教えてくれるのか?
ドローンのスクールは通ったからと言って、ドローンの全てを理解できるわけではありません。
もちろん個人の理解力によるところもありますが、あくまでスクールは補助的な位置づけであり、ドローンに関する理解を深めていくには継続的にドローンに関する情報収集を行わなくてはいけません。
また、スクールの講習内容にも種類があるため、全てを一気に理解できる講習というのは存在しません。
ですから、ドローンの機体に関する情報はもちろん、法律やルールなども少しずつ理解をしていく姿勢が大切です。
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