JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)は、日本でも有数の国土交通省認定のドローン管理団体です。
そんなJUIDAではドローン操縦の基礎を学び、ドローンの民間資格の取得が可能です。
「JUIDA認定資格に興味はあるけど難しいのかな?」
「ドローンの資格と言えばなんだか費用が高そうなイメージ」
特に初心者の方は、こういった専門資格の取得はハードルが高そうに感じるものです。
そこでこの記事では、JUIDA認定資格の講座内容や難易度・料金まで、初心者の方でも分かるように詳しく解説しています。
\いよいよ12/5よりドローン操縦免許の国家資格化がスタートしました!/
ドローンの民間資格「無人航空機操縦技能(JUIDA)」とは?
JUIDAでは、JUIDAが定める科目を修了した人に「無人航空機操縦技能証明書」が与えられ、ドローンの民間資格を取得できます。
この資格はドローンの事故を起こすことなく、安全に飛行させるために必要な知識と操縦技能を所有していることを証明してくれる資格です。
また、飛行業務の経験があればJUIDAが定める申請手続きを行い、無人航空機の安全運航管理に関する基本知識とリスクアセスメントを習得することで「無人航空機安全運航管理証明書」が交付されます。
そんなJUIDAの資格が選ばれる理由は主に3つあります。
- 国内で最も歴史のあるドローンの技能を証明してくれる資格
- ドローンの知識を学べる質の高いテキストやカリキュラムが用意されている
- スクールの数が多く、全国で受講可能
このような理由から、JUIDAはドローンの資格の中でも圧倒的な権威性を持っていると言えるでしょう。
JUIDAの有効期間や更新料は?
JUIDAで取得できる民間資格の有効期間は2年で、更新をする際には更新料が必要となります。
ドローンは技術の進歩がとても早いため有効期間などを設けておくことで新しい技術を取り入れながら最新の情報にアップデートしています。
また、更新料については操縦技能が7,000円、安全運行管理者が3,000円必要になります。
証明書の更新申請の流れは下記のとおりです。
- 会員専用サイトから証明書の更新を申し込む
- 申し込み完了後お支払いメールが届くので更新料を振り込む
- 入金確認後、翌々月初日に証明書が交付される
更新は2ヵ月前から可能で、本人の顔写真画像が必要になります。
更新作業は会場に行く必要がなく、オンラインで簡単に手続き可能です。
「無人航空機操縦技能」と「無人航空機安全運航管理者」選べる2つのコース
JUIDA認定資格には「無人航空機操縦技能」と「無人航空機安全運航管理者」の2つがあります。
そこでここからはこの2つの資格の特徴や違いについて解説していきます。
無人航空機操縦技能
無人航空機操縦技能は16歳以上が対象年齢となっており、未成年の場合は親権者の同意書が必要です。
この資格を取ることで、次のようなメリットがあります。
- ドローン技術の証明がしやすく、理解を得やすい
- 無人航空機安全運航管理者の資格取得も目指せる
- 航空局への無人航空機飛行申請手続きの一部が免除可能
- ドローンの操縦スキルが身に着く
これ以外にも様々なメリットがあります。
もしドローンで仕事をしたいと考えている人は、資格を持つことにより権威性が生まれるのでぜひ取得してみましょう。
また、資格を取得することのデメリットは勉強や研修を受ける時間と受講料金くらいなので、気になる方はぜひ検討してみてください。
無人航空機安全運航管理者
無人航空機安全運航管理者は、無人航空機操縦技能を取得した後に受験できる資格です。
対象年齢は2021年7月に規約が変更となり、18歳以上が受けられるようになりました。
無人航空機安全運航管理者を取得するメリットは次の通りです。
- ドローンのビジネスをする際により信頼を得やすくなる
- 今後導入されるドローンの国家資格に有利になる可能性がある
- 飛行許可申請が通りやすくなる
無人航空機操縦技能との違いは対象年齢が18歳である点と、無人航空機操縦技能を取得しないと受験することができないという点です。
無人航空機安全運航管理者は基本的に座学での勉強になるので、少しでも権威性を上げていきたいと考えている人は受験してみるのもおすすめです。
JUIDA認定資格の試験内容は?
JUIDA認定資格には筆記試験と実技試験があります。
測量などの試験においても筆記と実技が分かれており、どちらもバランスよくできることが求められるでしょう。
ここからは筆記試験と実技試験のそれぞれの内容を解説していきます。
これから試験を受けたい人は熟読して勉強に取り組んでいきましょう。
筆記試験
無人航空機操縦技能の筆記試験では、合計30問の3択問題を15分で回答して、21問以上正解であれば合格となります。
座学の内容は、無人航空機概論・法律、ルール・技術・電波・気象・運用の6つとなっていて、それぞれ章ごとで問題が出題される形式です。
無人航空機安全運航管理者では、同じように3択問題の形式で20問回答し、14問以上正解できれば合格となります。
無人航空機操縦技能・無人航空機安全運航管理者ともに正解率70%以上で合格なので、しっかりと座学に取り組めば合格できる内容と言えるでしょう。
資格試験では4択での問題形式が多い中、3択での回答のため少し易しい筆記試験の問題形式とも言えます。
実技試験
筆記試験に関しては、座学ですので暗記さえできればどうにかなる試験と言えます。
しかし、実技試験に関しては今まで操縦したことがないドローンを扱うので不安になる人も多くいるでしょう。
内容としては垂直離着陸やホバリング、水平飛行、緊急時の操作などがあります。
それぞれの内容をまとめておきます。
垂直離着陸:全く滑走しないで垂直方向に離着陸すること
ホバリング…空中の一点に静止した飛行状態のことで、停止飛行とも呼ばれる
水平飛行:飛行機を持ち上げる揚力と重力が釣り合った状態のこと
実際にやってみようと思うとなかなか難しい技術ですが、慣れてしまえばできるようになるので、あまり難しくとらえず何度も挑戦することが実技試験での合格の秘訣と言えます。
JUIDA認定資格を取得するメリットとは?
「JUIDA認定資格の特徴や試験内容は分かったけど何かメリットあるの?」と思う方も多くいるでしょう。
先ほども解説しましたが、結論から言うとメリットは次の3つになります。
- ドローン操縦に関する正しい技術やスキルが身に着く
- ドローンの技術が担保され仕事を獲得しやすくなる
- 飛行許可申請を簡略化できる
それぞれの内容について詳しく解説していきますので、しっかりとメリットを把握してからJUIDA認定資格を取得するか判断しましょう。
ドローン操縦に関する正しい技術やスキルが身につく
1つめのメリットは、ドローン操縦に関する正しい技術やスキルが身につくことです。
現在の法律において、ドローンの操縦に資格や免許は必要ではありません。
そのため、航空法で定められたエリア内においては誰でもドローンを操縦することが可能です。
しかし、ドローンを操縦する時には正しい技術で安全に飛行させることが求められます。
その場合独学で学ぶよりも、JUIDA認定資格試験を受けて資格を取る方が効率的に学ぶことが可能です。
お金を払ってプロに学ぶというのはどの業界でも有効な技術の取得方法のため、JUIDA認定資格を取得することにより正しい技術やスキルを身につけることをおすすめします。
ドローンの技術が担保され仕事を獲得しやすくなる
2つめのメリットは、ドローンの技術が担保され仕事を獲得しやすくなることです。
どの業界でも、資格がない人よりも資格を持つ人の方が信頼性があると言えます。
例えば、医師の資格を持っている人に美容のアドバイスを貰うのと、何も資格のない人に美容のアドバイスを貰うのとでは前者の方が信頼できるでしょう。
このように、JUIDA認定資格を取得することで信頼を勝ち得ることができ、ドローン関連の仕事に就ける可能性も上がります。
また、仕事を獲得する場面以外にも、資格があることで業界でのポジションを確立できることや人脈が広がるという点も、資格取得の魅力です。
飛行許可申請を簡略化できる
平成29年6月1日以降、JUIDA認定資格等の資格を取得することにより、飛行許可を受ける際に一部資料を省略することができるようになりました。
省略できる書類は「申請書様式3」および「無人航空機を飛行させるものの追加基準への適合性」の2つの書類です。
書類を作成するのは想像以上に手間がかかるところもあるので、資格を取得することによって少しでも負担が減るのは大きなメリットと言えます。
このようにドローン操縦士になる際に資格を取得しておくことにより、様々なメリットを受け取ることが可能です。
ドローンでビジネスをしたい人はJUIDA認定資格を取得することを目指すと良いでしょう。
JUIDA認定資格の難易度は?
JUIDA認定資格を取得することによって様々なメリットが有ることを解説してきました。
しかし、これだけのメリットがあるとかなり試験は難しく、ほとんどの人が取れないように思う人もいるでしょう。
JUIDA認定資格の合格率は正式に発表されていませんが、参考までに同じ民間資格のドローン検定の合格率は次の通りになります。
申込者数 | 合格者数 | 合格率 | |
令和2年 7月 | 1,423 | 1,124 | 78.89% |
令和2年 9月 | 1,369 | 1,130 | 82.54% |
令和2年 11月 | 1,453 | 1,165 | 80.71% |
ドローン検定の合格率から推定すると、筆記試験に関してはJUIDA認定資格もあまり難易度が変わらないと予想されます。
しかし、ドローン検定には実技試験がないため、実技試験を含めた合格率は正確には分かりません。
ですが、JUIDAでは2015年の資格認定開始以来、24,370人(2022年10月時点)が操縦技能者として認定されています。
平均して年間で3,000人前後が合格していると考えると、しっかりと基本操作ができれば資格の取得は十分望めるでしょう。
JUIDAで取得できるドローン資格の費用相場は?
JUIDA認定資格の費用相場は、20万~25万円ほどの費用がかかると言われています。
一般的にはJUIDAの認定スクールに通い資格の取得を目指すケースが多く、ドローンスクールに通うには20万〜25万円程が一般的な相場です。
また、JUIDA認定資格の発行費用が22,000円、JUIDA年会費が5,000円必要となります。
そのため、もしスクールに通うつもりがある人はスクール費用に加え、発行費用や年会費も予算に計上しておくようにしましょう。
またJUIDA認定資格以外にも、ドローン検定やDPAなどの民間資格もあります。
これらの取得費用はJUIDA認定資格より安いこともありますが、JUIDAはドローン業界でも最も大きな団体の1つであり、権威性なども考えるとJUIDA認定資格は費用対効果が高いとも言えます。
値段だけで判断するのではなく総合的に見て資格取得することが大切です。
JUIDA認定資格に関する良くある質問
ここからはJUIDA認定資格に関するよくある質問について、まとめて回答していきます。
細かいことまでしっかりと理解したいという人は回答をしっかりと読んでからJUIDA認定資格を取得するようにしましょう。
入会金や年会費はいくらですか?
JUIDAの入会金・年会費は以下の通りです。
正会員(個人) | 正会員(団体) | 準会員 | 賛助会員 | 公共会員 | |
入会金 | 5万円 | 10万円 | 5千円 | 5万円 | 無料 |
年会費 | 1万円 | 12万円 | 5千円 | 5万円 | 無料 |
会員の属性によって年会費・入会金が変わりますので注意してください。
正会員と準会員の違いは何かあるの?
正会員と準会員の違いは、正会員は「JUIDA社員総会」での議決権が付与されます。
準会員では「JUIDA社員総会」での議決権が付与されません。
情報提供やセミナー等の案内は、会員種別に関係なく全ての会員に発信されています。
そのため、総会での議決権が必要ないと言う方は、準会員でも特に問題は無いと言えるでしょう。
入会のための条件があれば教えてほしい
入会するための特別な条件はは特にありませんが、JUIDAでは公式見解として以下のように発信しています。
ドローンや空飛ぶクルマ等、次世代移動体システム(AMS)の、民生分野における積極的な利活用を推進する熱意をもち、本会の目的及びその事業に賛同し、本規則を承認し、入会を申し込んだ団体及び個人のうち、本会が入会を認めることが入会条件です。
今後のドローン業界を担う、情熱のある人材が求められています。
まとめ
この記事では、JUIDA認定資格の概要や講座内容、料金等について徹底解説してきました。
ドローンと聞くと近未来的なイメージがあり、難しそうに感じる方もいるでしょう。
しかし、きちんと学べば試験の合格率も比較的高く、資格の取得費用も一般的な範囲と言えます。
ドローンの資格を取得しビジネスとして活かしていければ、受講費用や入会金・年会費も回収可能です。
ドローンの利用範囲は日々広がっており、ドローンが操縦できる人が少ない中で資格を持っていれば、仕事を獲得する場合にも有利と言えるでしょう。
ドローンに興味がある人やどの資格を取得すればいいかわからない人は、ドローン業界で最も大きな団体が運営しているJUIDA認定資格を目指してみてはいかがでしょうか。